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インプラントの成功基準

インプラント治療は何をもって成功したと判断されるのか.

ご飯が美味しく食べられるようになったから? 綺麗な歯が入ったから? 5年経過したから? 痛くないから? 満足しているから?

実は日本では曖昧になっており,明確な基準はありません.

世界的には米国での基準が最も有名で広く周知されており,私は以下2つの成功基準を目標に診療しております.少し難しいですが,紹介させて頂きます.

◯Zarb, Albrektssonの成功基準

  • 診査時に個々の連結されていないインプラントに動揺を認めない.
  • X線学的に,インプラントの周囲に透過像を認めない.
  • インプラント埋入後1年以降の経年的な垂直性骨吸収が0.2mm以下である.
  • インプラントによる持続的および非可逆的な徴候や症状を認めない.
  • 上記条件下で,5年成功率85%を最低成功基準とする.

◯トロントシンポジウムでの成功基準

  • インプラントは荷重を受けており,すべて説明することができ,患者と歯科医師の両者が満足する,機能的かつ審美的な上部構造が維持されている.
  • インプラントに起因する痛み,不快感,知覚の変化,感染の徴候がない.
  • 動揺度をどのように評価したのかを記載した上で,個々に連結されていないインプラントに動揺を認めない.
  • 規格化された角度で撮影されたX線写真を用いて,機能開始1年以降の経年的な垂直性骨吸収が平均0.2mm以下である.