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インプラントにおける骨移植「Frank骨造成」

インプラント治療を成功させるためには事前の診断が重要となります.様々な検査を行いますが,特に重要となるのはインプラント治療をしたいところに骨があるかどうかです.歯を失って時間が経つとその場所の骨は徐々に吸収され減少してしまいます.骨の減少が著しい場合は骨移植による骨造成が必要となる場合があります.

骨造成は自家骨移植と他家骨移植のどちらかを選択することになるのですが,それぞれにメリットデメリットがあります.

①自家骨移植

患者様ご自身の骨を別部位から採取し,必要な部位へ移植する術式です.

骨造成を行う範囲によって金額が変わります.44,000〜77,000円で自由診療となります.

ご自身の組織なのでアレルギー反応や拒絶反応が起こりません.

移植した骨が安定するまで数ヶ月かかり治療期間が長くなりますが,完成した骨は血液も循環し免疫力を有した健康な組織となりますので,インプラントの長期安定を目指す上でとても有効な治療法です.

ドイツの歯科医師,Frank Zastrowが考案した自家骨骨移植BBAテクニックは世界に衝撃を与えた術式です.過去の骨移植では取り出した骨をブロック状で移植するのですが,移植した骨が血流を確保できず壊死したり,周囲の骨と同化せず固定されなかったりといったリスクがありました.そういったリスクをなくし,血流が確保されて生きた骨細胞で骨を作り上げ,元からある骨と一体化させるというシステムで世界的な実績を残しました.

彼の功績は凄まじく,骨移植における世界の常識を変えたと言っても過言ではありません.自家骨移植は従来大きな病院でしか行えなかったのですが,術式をはるかに安全でシンプルな予知性の高いシステムに昇華させました.さらに生きた骨を作り上げるというコンセプトにより,防御力・免疫力を有した組織の再生を可能としました.

これによりインプラント治療の適応範囲が大幅に拡大され,インプラントの長期安定性が格段に向上することとなりました.

世界で最も敬愛するドクターの一人,Frankに直接術式を学べたことに感謝し,患者様の利益になるこの術式を広めていくことができたらと考えています.

骨隆起を移植したFrank骨造成とインプラント症例」症例集より参照

②他家骨移植

人工的に作られた骨,または他の生体から抽出した骨を移植する術式です.

骨造成を行う範囲によって金額が変わります.11,000〜44,000円で自由診療となります.

術式が簡単でインプラント一次オペと同時に行える場合があり,治療期間が延長しません.その場合は人工骨材の使用料のみで11,000円程度になる場合があります.

頻度は低いですが,アレルギー反応や拒絶反応が起こる可能性があります.

③追加オペをしたくない場合

患者様にとってはインプラント手術だけでも体にご負担をおかけすることとなります.そのため,追加の手術はなるべく回避したいという方もいらっしゃいます.

その場合は,骨のあるところを選んでインプラントを設置します.上部構造が長くなったり,審美性が少し落ちたりすることが考えられますが,長期安定性は必ず確保し,その範囲で可能な限り対応します.

盛岡でインプラント治療をお考えの方へ参考になればと思い,基本情報を「インプラントとは」で簡単に解説しています.

盛岡市桜台ニュータウン手前 さくらだい外川歯科医院 外川正洋